糖質制限をはじめてみよう

糖質制限食は3パターン

江部康二先生式の糖質制限食には、3パターンの実践法があります。

<スーパー糖質制限食>
3食すべてを糖質制限食にする。
糖尿病患者やその予備軍、またダイエット目的の人で早く体重を落としたい人におすすめ。

<スタンダード糖質制限食>
3食のうち、2食のみを糖質制限食にする。
おすすめなのは昼食以外を糖質制限食にすること。一日のうち一晩活動的な日中の食事を主食ありにすることで、血糖値の急上昇をなるべく防ぐ。
また、仕事の付き合いなどでどうしても人とランチを摂る機会が多い人にも。

<プチ糖質制限食>
3食のうち夕食のみを糖質制限食にする。

糖尿病の改善やダイエット目的の人はなるべくスーパー糖質制限食を選ぶべきです。
糖尿病の人は健康な人に比べて血糖値が上がりやすいため、一食のみ主食をとると言ったようなことは食後高血糖や血糖値の上下幅を作ることになります。空腹感も感じやすくなるため、挫折しやすくなります。

ダイエット目的の人も同じです。糖質は摂り過ぎると余分な糖質はすぐに中性脂肪になりますからダイエットには不向きですし、中途半端に食べるとお腹が空きます。
痩せたい人こそスーパー糖質制限食を選んだほうが実は楽です。

都合でスタンダードやプチにしなければいけない場合には、主食はなるべく未精製のものを少なめに食べるように心がけたいもの。白ご飯より玄米ご飯や雑穀ごはん、食パンよりライ麦パンなど…。
また、食物繊維が豊富なおかずを先に摂るようにし、血糖値の急上昇を防ぐようにしたいもの。
粉末の食物繊維(イージーファイバーダイエタリーファイバーなど)を普段から持ち歩き、食事の際に飲み物やスープなどに溶かして一緒に摂るのも良いと思います。
※「食後血糖値や血中中性脂肪の上昇をおだやかに」という効果をうたったトクホの食品のほとんどは、この「難消化性デキストリン」が添加されたものなんですよ!

まずは「主食を抜く」ことから

「料理も出来ないし制限があって難しそう」と考える必要はありません!
まずはシンプルに、「主食を抜く」ことから始めます。
もちろんおかずにいも類など炭水化物食材が入っている場合は食べられませんが、そうでなければ「主食を抜く」だけで糖質制限食の完成です。
いきなり主食を抜くことに抵抗があるなら、まずはごはんを冷奴などの豆腐に置き換えてみては?

糖質量を計算しながらメニューを考えよう

「主食を抜く」食事に慣れてきたら、今度は糖質量を計算しながらの食事を心がけます。
参考:一食あたりの糖質量めやす

運動する人への注意

有酸素運動は血糖値を低下させることが知られていますが、糖質制限食では余分な糖質を摂取しないため、通常の糖尿病療法のように運動療法の併用は必須とはなりません。運動で下げるほどの血糖値上昇にはならないはず、だからです。
しかし適度な運動は健康にも良いですし、体のことを考えたらやらないよりやったほうがいいです。
私の経験上では、ウォーキング程度や軽いサイクリングなら併用できますし、低血糖にはなりませんでした。体も疲れにくくなるし、風邪もひきにくくなる。しかも痩せるスピードが増すのでオススメです。
<個人差があるので体調とよく相談して行ってくださいね!>

趣味などで激しい運動をする場合は注意が必要です。
激しい運動によって血糖が消費され、糖新生が追いつかずに低血糖を引き起こす可能性があるためです。
このようなことを防ぐために「激しい運動後には糖質を少し摂取する」のが良いとされていますが、中には運動中に低血糖症状が出る人もいるようです
激しい運動をする予定がある場合にはあらかじめ糖質のあるものを摂っておいたり、糖質が含まれるお菓子などを用意しておいたほうが良いかもしれません。

どうやって計算したらいいの?

加工食品であれば成分表示を確認します。
糖質ではなく「炭水化物」として表示されている場合は、そこから食物繊維の分をマイナスしたものが糖質量となります。
食物繊維は炭水化物の一部ですが、血糖値を上昇させないため、摂取して差し支えない成分です。

各種食材の成分ですが、文部科学省が提供している食品成分データベースというサイトで食材の成分を確認することも出来ます。
しかし情報量は十分ながら、このサイトは少々見にくいのが玉にキズとも言えます。
糖質制限食を実践するには上記のサイトを利用する他、やはり専用の本を一冊手元においておくと非常に便利です。
主要な食材の糖質量が一覧で書かれていて、糖質制限食を実践するのにたいへん役立つものも。

糖質制限を実践する上でおすすめな本については、こちらのページで紹介しています!